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業務コストの削減を実現するスマートグラス活用のメリットと選定のポイント

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業務コストの削減を実現するスマートグラス活用のメリットと選定のポイント

多くの業種で人手不足が慢性化している今、従来どおりに利益向上を継続させようとすれば、業務量と人手のバランスがとれず、従業員に大きな負担がかかってしまうでしょう。特に建設や検査・メンテナンス、運輸・倉庫など、現場での作業が必要な業界では人手不足が大きな課題となっています。そこで、おすすめしたいのが、現場作業が欠かせない業務のコスト削減を可能にする「スマートグラス」です。今回は、スマートグラスの概要やメリット、効果的な活用方法などをお伝えします。

業務コスト削減にも貢献するスマートグラスとは?

スマートグラスとは、メガネ型のウェアラブル機器です。装着したレンズ部分に映像を映したり、目の前の景色を録画・保存したりできるほか、それらの映像をインターネット経由で遠隔地へ送信することもできます。つまり、スマートグラスは現場作業の業務効率化やコスト削減を実現するのです。

スマートグラスの種類は多様です。例えば、訓練が難しい高所での作業の擬似画像をレンズに投影して、実際に高所で作業しているかのように訓練ができるVR機器もスマートグラスのひとつといえます。

現場で見たものをインターネット経由で送信し、作業の熟練者がそれを遠隔地で見ながら指導を行うといったスマートグラスもあり、さまざまな方法で現場作業の支援が可能です。

現場作業でスマートグラスを活用するメリット

IT技術の進化もあり、多くの現場ではIT化が進んでいます。スマートグラスの活用も IT化のひとつですが、現場作業でスマートグラスを活用することにはどのようなメリットがあるのでしょう。

作業熟練者の負担軽減・後継者育成支援

株式会社帝国データバンクが2022年2月に発表した、「人手不足に対する企業の動向調査(2022年1月)」のデータを紹介します。これによると、正社員が不足している業種の3位に「建設」、4位に「メンテナンス・警備・検査」、8位に「運輸・倉庫」がランクインしています。主に現場での作業が必要な業種が上位10業種のなかにすべて含まれているのです。同データでは、特に建設業において職人の高齢化が進んでいることも述べられており、後継者不足が課題になっていることが見てとれます。

参照(外部サイト):人手不足に対する企業の動向調査(2022年1月)|株式会社帝国データバンク(https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p220212.html

熟練職人である高齢者の負担軽減と後継者育成、その両方を解決する手段として効果を発揮するのがスマートグラスです。現場にいる職人がスマートグラスを着用し、その映像を高齢者の職人が遠隔地で確認すれば、ひとりの熟練職人が複数現場に対して同時に作業指示を出すこともできます。

スマートグラスを現場で活用すれば、そこに熟練職人がいなくても、音声で指示を聞きながら作業ができるため、現場で作業工程を覚えていくことが可能です。これにより、「熟練職人の負担軽減」と「後継者育成」の両方を、コストを抑えつつ同時に解決できるでしょう。

多様な業務での効率化やコスト削減、顧客満足度向上にも貢献

スマートグラスの活用は、前述した以外に次のような業務でも効果が期待できます。

・警備業務の効率化・コスト削減

警備はいつ、どのようなトラブルが発生するか予測が難しい業務です。そのため、通常であれば、経験やスキルのある多くの人材を配備しなくてはなりません。しかし、人材不足のなか、経験を積んだ高スキル人材を多く配置するには多大なコストを要してしまうでしょう。

そこで、スマートグラスを活用すれば、遠隔地から映像を見ながらリアルタイムで指示を出せるため、実際に警備に当たる人数が少なくても、ムダのない動きで迅速な対応が可能です。

・倉庫業務の効率化・顧客満足度向上

例えば、新入社員が倉庫でピッキングや検品作業を行おうとすれば、商品のある場所を探すだけでも多くの時間を費やしてしまいます。これもスマートグラスがあれば、遠隔地から指示を出せるため、迅速に作業を進められるでしょう。作業が迅速に進めば、取引先やエンドユーザーの手元にも早く商品が届くようになるため、顧客満足度の向上も可能です。

また、現場での品質管理や作業点検においても、常に責任者が現場におもむく必要がなくなります。その結果、移動にかかる時間やコストを削減すると同時に、より生産性の高い業務に時間を割くことが可能になり、利益向上にも貢献するでしょう。

倉庫作業イメージ

現場で活用するスマートグラス選定のポイント

現場作業のコスト削減や効率化実現のほか、熟練者の技術継承などのさまざまなメリットを持つのがスマートグラスです。しかし、スマートグラスを活用すれば必ず成果が出せるわけではありません。そこで、実際の現場で成果を上げるためにはどのようなスマートグラスが必要なのか、その選定ポイントを紹介します。

・防じん・防水・耐衝撃性があること

現場作業の多くは屋外で行われます。特に建設現場では、ほこりやちりが多いことも珍しくありません。ときには風雨にさらされながらの作業もあるでしょう。そのため、防じん、防水機能がないスマートグラスは現場作業では使えない場合があります。

また、高所や危険な場所での作業を行う際、作業状況によってはスマートグラスが「ぶつかる」「落ちる」といったケースも考えられます。そのため、耐衝撃性のあるものでないとすぐに壊れ、使いものにならなくなってしまう可能性が高いです。これらのリスクを低減するためには、防じん・防水機能、耐衝撃性のあるスマートグラスを選定することが重要です。

・バッテリーの持続時間が長いこと

現場作業はその種類にもよりますが、長時間になるケースも少なくないです。その際、スマートグラスのバッテリーの持ちが悪ければ、作業の途中で電源が切れてしまう可能性が考えられます。そうなれば、業務が滞ってしまい効率も落ちてしまうでしょう。

頻繁に充電が必要になると、その分、スマートグラスの数を増やさなければならずコストも上がってしまいます。現場作業で使用するには、最低でも4~5時間程度は連続で使用できるものがよいでしょう。ただし最終的には、自社業務の作業時間をカバーできるかどうかで判断します。

・操作性が良いこと

現場では工具や機器を持って作業することも多いでしょう。そのため、スマートグラスの操作はできるだけ簡素で手を使わなくても可能なものでなければなりません。例えば「音声での操作が可能」「騒音がある場所でも声が聞き取りやすいノイズキャンセル機能」などは必須といえます。両手が空いていない状態でも問題なく使えるかどうかは、現場作業での重要な選定ポイントといえるでしょう。

・セキュリティがしっかりしていること

スマートグラスの活用では、通信データや保存データの漏えいリスクは少なからずあります。通信データや保存データ認証に使用するQRコードの暗号化、ワンタイムパスワードを使用した2要素認証の採用など、デジタルデータのセキュリティが万全かどうかも重要です。

・無償トライアルが可能であること

スマートグラスを活用した現場作業は、これまでとは働き方が大きく変わります。そのため、実際に使ってみて使い勝手や必要な機能を見極める必要が生じます。試用期間を経ずに購入にいたると、導入後に「想像していたものと違う」といった事態に陥りかねません。

これを避けるためには、導入前に試験的にトライアル利用できる機器を選定するのがおすすめです。実際に使ってみて、本当に自社で活用できるか、利用によって成果を上げられるかをしっかりと検討しましょう。

現場作業のコスト削減や効率化実現にはスマートグラスの活用がおすすめ

いまや現場作業でもITを活用した効率化、生産性向上はあたりまえとなりつつあります。しかし、ただITを導入しただけで成果を上げることは難しいかもしれません。単純にITを導入するのではなく、自社にとって何を解決させるためにITを導入するかを検討することが重要です。それによって、現場で本当に有効なITの導入が実現するでしょう。

スマートグラスが実現するのは、現場作業の効率化だけではありません。熟練職人の負担軽減、ひとりで複数の現場を管理できることによるコスト削減、多くの職人に直接指導を行うことによる後継者育成など、さまざまなメリットがあります。現在、人材不足に悩んでいる企業は少なくないでしょう。また、コストを削減しつつ生産性向上を実現させたいケースも多いでしょう。これらの悩みを解決するために、スマートグラスの導入を検討してみてはいかがでしょう。

株式会社インフォメーション・ディベロプメントが提供する、「IDEye」は、スマートグラスを使って遠隔地から音声・映像で作業を支援・確認するクラウドサービスです。現場でのスマートグラス活用の効果をさらに向上させるサービスとなるため、スマートグラス導入を検討する際は、あわせての導入をおすすめします。

遠隔作業支援システム「IDEye」

 

参照サイト:

 

 

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